マックな私のAT互換機導入記

98年8月12日更新

その日の気分によって口調(文体)が違うことがありますが御容赦ください。


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導入理由

 最近,自分の中でUNIXに対する関心が高まってきました。TeXやInternetを通してUNIXの文化に触れることが多くなったからかもしれません。それで,

ということでAT互換機の導入を考え始めました。
 上の3つを実現するには,Power Mac(604系か,できればG3)+Virtual PC(またはSoft Windows)+Mklinuxという組合せも考えられます。Macな私はまずこれを考えたんですが,ディスプレイまで入れると(私のMacは一体型です)どう考えても40万近くはかかってしまいそうです。これだと,そこそこのMac+安いAT互換機+ディスプレイが買えてしまう値段だし,今の私にはそこまではとても無理です。というわけで,安いという理由でまずAT互換機を選択することにしました。

 MacOSの開発ロードマップ変更に伴って,RhapsodyはMacOS X(ten) Serverと名前が変更されたようです。Rhapsody for Intelは,最初のバージョンはリリースされるものの,その後のバージョンアップはPowerPC版だけになるのではないかという見方が多いようです。また,どのぐらいの値段が付けられるのかも分からないので,当分はLinuxで使っていく方が良さそうです。
 あとはBeOSに期待したいところです。秋葉原の
ぷらっとホームでBeOS R3 for Intelのデモを見ましたが,なかなかかっこよかったですね。R4では日本語変換もサポートされるという話なので,R4が出たら是非試してみたいところです。(え,Windows98?まだちょっとねぇ(苦笑))


AT互換機と言えば自作?

 メーカー製のモデル(IBMとかDELL)も検討してみたんですが,悪くないんだけどなんかいまいちピンと来ない感じがありました。(SONYのVAIO NOTEは一目で気に入ったのですが,1台目のPCとしてはちょっと辛いものがあるので惜しくも選外。)
 というわけで,自作です。なんといっても作る楽しさがあります。この面白さがなかったら,AT互換機の導入を諦めていたかもしれません。また,自分でパーツを交換してどんどんアップグレードできるのも大きな魅力です。Rhapsody次第では自分のメインのマシンになる可能性も無いとは言えないわけですから。


参考文献

 自作するにあたって,次の本を参考にしました。

98年版 作ってわかるAT互換機 / 藤本壱 / ソシム
パーツ選び,組立方法,OSのインストールに至るまで初心者に分かり易いように書かれています。もし一冊だけ選ぶとしたらこれでしょう。

AT互換機組み立て本('98年版) / 組み立て野郎Aチーム / ソフトバンク
これも全般にわたって詳しく書かれています。最後の章にはCPUの構造についての記述があったりしてよりマニアックです。ただ,OSのセットアップのところがWin3.1からのアップデート版をもとに記述されているのが難点です。

PCパワーアップジャーナル / 著者多数 / 技術評論社
PCパーツの基礎知識について書かれています。組立についても書かれていますが,これ一冊だけで自作するのは初心者にはきついでしょう。ちなみに「内蔵」を「内臓」とする誤字が目立ちます(笑)。状況の変化をホームページ上でサポートするというが売りのようですが,このホームページも機種依存文字や,無意味なフォント指定が気になります。

DOS/V magazine / ソフトバンク
パーツの相場を知るにはこの雑誌の広告が役に立ちました。内容の方もなかなか役に立つものもあるのですが,特定のメーカーのソフトを不当に高く評価する傾向が気になりました。


選んだパーツ

 自作の上級者は怪しげな安いパーツを買ってきても,うまく使いこなしたりするようです。しかし私は初心者ですからそこまでの冒険はためらわれるものがあります。結局,格安じゃなくても安全なものという方針でパーツを選ぶことにしました。相性とかまで考えると何が安全かというのも難しいのですが,ありがちな組合せというのをTWO TOPの店員に聞いてそのラインで選んでみました。以下にそのリストを書いておきます。(購入価格は1月下旬のTWO TOP仙台店でのものです。)

パーツ メーカー・型番 購入価格 備考
マザーボード ASUSTeK TX97-X/woa \19,800 TX97-Xのサウンド無しモデル
CPU AMD K6-200 \21,500  
CPUクーラー SANYO SAN ACE MC \3,400 TX対応
RAM SDRAM 32MB 10ns \7,380 現在はさらに32MB追加して合計64MB
HDD Western Digital WDAC33200 \24,800 3.2GB Ultra-ATA
FDD SONY MPF920-5 \3,280 3 mode
CD-ROM LG電子 CRD-8240B \8,450 24倍速 IDE
VIDEO CARD SPARKLE SP375 \7,800 S3 VIRGE DX PCI 4MB
ケース FTC-668DX \16,800 ATXミドルタワー
キーボード Justy JKB-109 \2,980 日本語109キーボード
マウス Logitech FirstMouse+(バルク) \2,900 スクロール付き
小計(本体)   \119,090  
OS Windows 95 OSR 2.5 \13,800 OEM版
ディスプレイ SONY CPD-17GS \66,800 17インチ 新型トリニトロン
合計   \199,690  


こだわったもの

CPU
とりあえずIntel Outsideってことで,ネットニュースでも評判の良いAMD K6に。マザーボードもSiSのチップセットのやつにすればさらに完璧だったのだが,これはより無難なラインを求めてIntelの430TXチップセットで妥協。


Pentium IIは派手な宣伝してる割に大したこと無いみたい。Power PC G3より一桁多い電力を喰いながら処理能力は半分(!)だとか。HPの技術が入ったMercedに期待ってとこでしょうか。

ディスプレイ
いずれMacと共有することも考えに入れて出来るだけいいものが欲しかった。MITSUBISHIのRD-17GIIClearが\64,800というのにも惹かれたが,結局慣れ親しんだトリニトロンのほうがと思いSONYに決定(ちなみにうちでは,10年前に買ったテレビもトリニトロンである)。CPD-17GSは17インチの割にコンパクトで画質も良くこれを選んで正解だったと思う。

ケース
最後まで決まらずに悩んだのがこれ。安く済ませたいとは思うものの,白地に青や灰色のボタンなんていう下品なデザインのものはとても選ぶ気になれず,結局やや高いのを承知の上で気に入ったデザインのものに。これだからMacユーザーはねぇ...(苦笑)。


Win95をインストール

 これが最大の難関です。幸い,詳しい人にDOSの起動ディスクを作ってもらいCD-ROMのドライバまで組み込んでもらったので,本を見ながらなんとかインストールすることが出来ました。近くに頼りになる人がいなかったらかなり難かしかったでしょうね。いまどきCD-ROMから起動できないなんてなんかねぇ。

Win NT 4.0はCD-ROMから起動できるそうですが,なにかと良くない話(セキュリティ・ホールとか,レジストリの設定でわざと処理速度を下げてるとか)が多いようですね。


最初にやったこと

 まず最初にやったことはInternet Explorerの削除です。Internet Explorerのセキュリティ・ホールの多さはあまりにも有名ですからね。ネットサーフィンしてるうちにハードディスクがフォーマットされてしまったなんて笑えない話がいっぱいあるようです。
 ついでにMS Exchange,MS Internet Mail & News等も使わないので削除しました。MS Internet Mail & Newsのバグ(endだけの行があると,日本語が化けて読めなくなる)もものすごく有名ですね。他にも,デフォルトのままだとメッセージIDは不正だし文字コードはシフトJISだしと,いくらタダだといってもお粗末すぎる出来のようです。

endだけの行の問題はOutlookでは起こらないそうです。そのかわり別のバグ(begin 001 aaa等が行頭にあると,そこから先が読めなくなる)があるそうですが。(笑)


Linuxを選ぶ

 一口にLinuxといってもいろいろな配布パッケージがあります。タイムリーなことに,Software Design 2月号がちょうどLinuxの特集でした。その中に,目的に応じたパッケージの選び方というのがあって,それによると,

Slackware --- OSそのものを勉強し,自分で管理したい
RedHat Linux --- なるべく簡単に日本語環境を構築したい
Debian/GNU Linux --- 最初に手間がかかっても高性能なものがいい
TurboLinux日本語版 --- とにかく楽に使いたい or 試してみたい

ということでした。
 さて,さんざん迷ったあげく選んだのはTurboLinux日本語版 です。とにかく簡単という評判だったのと,Webページでのインストールサポートがあるというのが決め手になりました。TurboLinuxとTurboLinux Proの2種類があるのですが,思い切ってProのほうを買うことにしました。これには基本のパッケージに加え,商用ソフトのdp/NOTE(ワープロ),日本語TrueTypeフォント,Wnn6(かな漢字変換),Netscape Communicator(今はフリーですが)が入っています。
 ちなみに,パシフィック・ハイテックのホームページから通販で買おうと思っていたんですが,アイエ書店仙台駅前店においてあるのを発見したので,その場で買ってしまいました。通販より一割くらい安かったと思います。


TurboLinuxのインストール

 まず,Linux用のパーティションを確保しなければなりません。色々迷ったあげく次のようにパーティションを切りました。

 TurboLinuxのユーザーガイドには,Linuxの起動パーティションは先頭から1GB以内にあるとより安全と書かれていますが,Windowsとのかねあい(Windowsはプライマリ・パーティションの先頭からしか起動できないらしい)もあって,これは諦めました。
 さてインストールですが,これが超簡単!インストーラーに聞かれたことに答えるだけでOKです。いくつか選択肢に迷うこともありますが,そのときは「推奨」とか「一般的」と書かれた項目を選択すれば問題なくインストールできます。MacOSほどじゃないにしても,それに迫るくらいの簡単さでした。


コントロールパネル「インターネット」の削除

 コントロールパネルから「インターネット」を削除するには,C:windows\system の中のinetcpl.cplを削除する必要があります。私はこの方法がわからなくてしばらく悩みました。コントロールパネルの中のものってMacのようにごみ箱に持っていくことが出来ないんですよね。
 大体,なんで一アプリケーションであるIEの設定をわざわざコントロールパネルからするようになっているのか理解に苦しみます。これって本来ならアプリケーションのメニュー項目にあるべきものでしょうに。


DOSでCD-ROMを使う方法

 DOSでCD-ROMを使う方法が次のページに書いてありました。

実際は知人にやってもらったわけですが,そのとき何をやっていたのかがこのページのおかげで少しわかってきました。このページをみて自分でもやってみましたがうまくいきました。作者の方に感謝。


サウンドボードを追加

 安く済ませるためにサウンドボードを入れていなかったのですが,やはり音が出ないのはさみしいという事でサウンドボードを買いました。色々迷った末に選んだのはサウンドブラスター AWE64 です。TwoTop仙台店でバルク品が \9980 でした。本当は AWE64 Gold が欲しかったのですが,1万円も違うということで断念。
 初期の AWE64 では,CPU が K6 の場合,ソフトシンセがインストールされないということがあったらしいですが,幸い私が買ったのに付いてきた CD-ROM では問題なかったようです。
 最初,何故か音楽CDの左チャンネルの音が出ないという状態になって焦りましたが,これはCD-ROMドライブに付属のケーブルが不良品だったことが判明。ケーブルに細工をすることで無事に両方から音が出るようになりました。

噂に良く聞いていたパーツの初期不良等には出くわすこともなく運がいいなと思っていたらこれです(笑)。しっかりしてくれよ,LG電子。


クロックアップ

 中を開ける機会があったので,ついでにクロックアップに挑戦しました。といってもそんな大したことをしたわけではなく,66MHz*3だったのを75MHz*3に変更しただけです。BIOSでもちゃんと225MHzと認識されて,いまのところWin95,Linux共に何事もなく動いています。もっと色々挑戦してみたい気はするのですが,AMDはIntelに比べてクロックアップに弱い(熱のせい?)とも言われているようなので,これ以上はちょっとためらわれます。まあ,今の速さにそんなに不満があると言うわけではないのでいいのですが...。



To be continued...




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